№14 体と心に響く演奏!茨城県つくば市「常陸乃国ふるさと太鼓会」にインタビュー
茨城県つくば市を拠点に活動する常陸乃国ふるさと太鼓会。平井隆会長を中心に昭和51年5月に結成された、創立43年目を迎える歴史ある団体です。国立劇場での公演や国立文化祭など数々の出演。「プロにも負けない演奏」をモットーに活動する同会の、代表代行 下村哲志さんにインタビューしました。
「体と心に響く」常陸乃国ふるさと太鼓会の演奏
常陸乃国ふるさと太鼓会の公演でまず目を引くのは、その大きな太鼓。勇壮豪快、力強い演奏を特徴とします。
提供:常陸乃国ふるさと太鼓会
大きいものは1トンを超え、さらにそれを乗せて移動することができる山車も所有しています。
また、必ず笛の音が入り、メロディに合わせた演奏をすることがこだわりです。こちらの演奏をご覧ください。
曲はすべて平井会長のオリジナル。早打ちが人気の中で、常陸乃国ふるさと太鼓会の演奏は、一つ一つの音をはっきりと出す、力強いものです。太鼓を叩く振動が体にも心にも響きます。
メンバーは3歳から71歳までの約30人。そのうち、レギュラーメンバーとして舞台に立てるのは15人です。
それぞれ学校や仕事があり、経験も様々なメンバー。「舞台に立つ限りは、仲良し集団ではなく、見ていただいて恥ずかしくない演奏を」と、週1~2回の練習を続けています。
太鼓=心技体を鍛える「太鼓道」
様々な年齢層のメンバーが集まる常陸乃国ふるさと太鼓会。
「太鼓は、単なる音楽ではなく、日本の伝統芸能であり、心技体を鍛える『太鼓道』です。練習を始める前の礼に始まり、終わってからの掃除まで、きっちりと行います。それは最近の世の中でおろそかにされがちなことばかりで、それを学ぶ大切な場なっています。」と下村代表代行が語ります。
提供:常陸乃国ふるさと太鼓会
結成43年目のチャレンジ。
年間を通じて多くの出演依頼を受け、2018年には26回の出演を行った同会ですが、43年目を迎えた今年2019年、大きな変化がありました。それは、平井会長が体調不良により入院されたことです。そんな中3つの公演を終えた下村代表代行は、次のように語ります。
「大きな不安を抱えながらも、会長の『自分がいなくても公演を続けてほしい』との意向に応えるべく、会員みんながいつも以上に結束して3公演に臨みました。会長に安心して戻ってきてもらえるように・・・と。公演内容はすごいもので本当にいつもと変わらない、それ以上のものができたと自負しています。公演では、子どもたちを主役にできるようにしっかり喝を入れて臨みました。その思いに立派に応えてくれていましたので、観客の皆様に届いていれば嬉しいです。」
「落ち込んだ時でも、誰かの支えに」心に響く太鼓の魅力
太鼓の魅力を伺うと、「やったことのない人でも、じわーと心に響く感動があると思います。他の楽器はある程度音量を調整しますが、太鼓は大きい音を出すことで評価を受けます。でも筋肉だけで叩くのではない。複数で叩くときはチームワークも必要。その奥深さが魅力です。」とのこと。
「力強い音で、誰かの支えになれれば、と思って演奏しています」と語る下村さん。
精力的な公演はもちろん、新メンバーも募集中です。その演奏を聴いて、参加して、パワーを受け取ってみませんか?