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№4 笠間のまつり主催者インタビュー 茨城にねぶた祭りがある理由とは?

毎年、8月に開催される「笠間のまつり」の実行委員の皆さんにインタビューを行い、まつりの歴史や見どころなどを教えていただきました!

 

右から3番目が実行委員長の武藤さん

笠間のまつりの概要

笠間のまつりは、「光のオブジェ」というテーマで、ねぶたや神輿のパレードが行われるまつり。ねぶたは、本場青森から2基のねぶたが出場するほか、笠間市内からも地元の中学生が作ったオリジナルの扇型ねぶたや、地域の神輿などが出てパレードを盛り上げます。ねぶたの運行とハネトで約1000人、神輿で約300人が出場する、笠間市最大級のまつり。

 

昔は竿灯まつりを行なっていた?
笠間のまつりは、ねぶたあり、神輿ありの、賑やかなまつりですよね。まつりが現在のような形になった経緯をおしえてください。

笠間のまつりは、地元の青年会議所のメンバーにより始まりました。笠間市にはかつて鎌倉時代に築城された「笠間城」という城が存在しました。明治時代の廃城令により建物は壊されましたが、現在も石垣や堀が残っています。28年前、その「笠間城」を、一日限り復元させている「一夜城」というイベントを開催したところ、多くの人が集まり非常に盛り上がったことが、この笠間の祭りの始まりになります。
そこから、市民参加型の祭りを作っていこうと試行錯誤を重ね、武者行列や竿灯祭りを経て、ねぶたの祭りとして定着していきました。ねぶたのまつりになってからは20回くらいだと思います。

 

 

なぜ笠間でねぶたをやることになったのでしょうか。

当時、祭りの内容については試行錯誤をしていて、竿灯まつりをやった時は電線に引っかかったりして、どうしたものかと悩んでいました。
そんな中、笠間市内に青森出身者の方がいて、その方の発案で、ねぶた祭りはどうかということで始まりました。
最初は黒石からハネトやねぶたが来ていたんですが、現在は、青森市内からねぶたが派遣されています。

 

神輿も一緒にパレードに出ているのはなぜですか?

もともと笠間は、神輿の文化が根強くあり、パレードを盛り上げるために神輿をコラボさせました。8月の1週目には、八坂神社祗園祭という神輿のお祭もあるんです。

 

祗園祭の様子

 

笠間のまつりならではのねぶたもあるのでしょうか。

パレードの中には、地元の中学生が絵を描いてくれている扇型のねぶたが出場します。大きいものは4m×4mあります。生徒たちが、祭に自分たちの絵を出すことを目標に書いている力作なので、ぜひ見て欲しいですね。

 

その他、市民が作成した様々な光のオブジェが出場するので、楽しんでもらえたらと思います。

 

祭りを最大限楽しめるスポット
当日パレードを見るのにオススメのスポットを教えてください。

盛り上がっているところを見たい方には、荒町角交差点という交差点がおすすめです。この場所は神輿とねぶたが交わるポイントで、各団体とも盛りあがります。
パレードをじっくり楽しみたい方は、歴史交流館がオススメですね。ここは、かつて坂本九も披露宴を行った「井筒屋」という老舗旅館を改装した建物です。夜も開放されているので、歴史交流館から見るパレードは壮観です。

 

 

楽しみ方に合わせてみる場所を変えるのもいいですね。さて、少し主催者目線でのお話をお聞きしたいのですが、武藤さんはどのように祭りの運営に関わるようになったのでしょうか。

私は笠間で生まれ育ち、学生の時は市外に出ていましたが、仕事のため笠間に戻ってきました。そこで青年会議所に加入したのですが、当時から祭りの運営は青年会議所が行なっておりましたから、自然と祭りの運営には関わっていました。
青年会議所は40歳までという年齢制限がありますが、最近は若い人も減ってきており、現在の運営は青年会議所のOBメンバーで行なっています。

 

主催者の視点での課題
若者が減っているという話も出ましたが、その他に課題としてはどのようなことがあるでしょうか。

実行委員会は2ヶ月以上前から裏方として準備をしていますが、ルーチンも多くあるので、いかに準備を効率化できるかが課題だと思います。
あとは、本当は運営にもっと若者に入ってもらいたいんですけどね。大学生に手伝ってもらえたりしたら嬉しいのですが、笠間には大きな大学がないですし。絵を描いてくれた中学生にも、ねぶたを引いてもらいたいですが、学区が遠い生徒もいて帰りが遅くなってしまうので、できていないのが現状ですね。

 

祭りの運営をしていて、やりがいを感じることは何ですか。

祭りの日に子供達が楽しんでいる姿を見ること、終わったあと楽しかったという感想を聞けると、やってよかったと思いますね。祭りに参加する人や、見にきてくれた人に楽しんでもらえたら、それが一番のやりがいです。

 

今後の展望
笠間のまつりの今後の展望を教えてください。

個人的な野望ですが、今よりさらに大型のねぶたを持ってこられるようにしたいという思いはあります。
笠間のまつりは、青森まで行かなくても、ねぶたが間近で体験できるところが魅力の一つです。普段なかなかみられない迫力のねぶたを、楽しんでもらえたらと思います。

ありがとうございます。笠間のまつり、楽しみにしています!

 

笠間ツウに聞く、おすすめスポット

笠間をよく知る実行委員の皆様に、笠間のおすすめスポットを教えていただきました。

 

笠間に鎮座する、世界最大の陶器

高さ10.7m、直径2m、重さ6.5tの巨大花瓶。
笠間焼陶器の老舗窯元「製陶ふくだ」で見ることができます。

 

(笠間観光協会HPより)

 

日本有数の採石場で楽しむ絶景

笠間市は「稲田白御影石」という石材の産地。この採石場の景色が絶景ということで、注目されています。
最近は、その絶景の中でカヌー体験やロッククライミングができたり、新しいアクティビティも行われています。

 

(番外編)佐白山

笠間市には、かつて奇跡体験!アンビリーバボーにも取り上げられた心霊スポットがあります。それが、佐白山です。 かつて笠間城があり、ここでは戦で多くの犠牲がでたと言われています。その霊たちが今でも数々の怪奇現象を引き起こしているとかいないとか・・・

 

以上、笠間ツウに聞いたおすすめスポットをご紹介しました。
笠間にお越しの際は是非お立ち寄りください!

 

笠間のまつり2018年情報
名称 笠間のまつり
開催場所 笠間稲荷神社周辺
開催日 平成30年8月18日(土)
パレード開始時刻:18時〜
アクセス 【電車】JR水戸線笠間駅下車、徒歩20分又はタクシー5分