常陸国風土記を訪ねる

密筑の里(みつきのさと)

久慈郡の条に「高市より東北二里に密筑の里がある。村の中に清き泉がある。人々は大井と呼んでいるとある。この大井は水木町の泉が森の泉であるとされている。泉の水は冬温かで、夏は涼しく、夏の暑い時に、遠近の村から男女が集まり、食べたり、飲んだりして楽しんでいた」とある。また密筑の里は海や山の産物が豊かであった。特にアワビは石決明と表記されている。石決明は古代中国では不老長寿の薬として珍重された。

指定の種別 県指定史跡(指定名称は「泉が森」)
市町村名 日立市
所在地 日立市水木町2-22-1
担当課 日立市郷土博物館
電話番号 0294-23-3231
参考URL なし
常陸国風土記の記載内容
久慈郡

此より東北二里に、密筑里あり。村の中に浄き泉あり。俗、大井といふ。洽く冬温かなり。湧き流れて川となる。夏の暑き時には、遠邇の郷里より酒と肴とを齎賷きて、男女会集ひて、休ひ遊び飲み楽しぶ。其の東と南とは海浜に臨む。石決明・棘甲贏、魚貝等の類、甚多し。西と北とは山野を帯ぶ。椎・櫟・榧・栗生ひ、鹿・猪住めり。凡て海山の珍しき味、悉に記すべからず。